ろうそく

たった一本のろうそくに
静かに火を灯し朝を待ちつづける。

通廊を歩く今の一歩一歩を
大切に踏みしめながら
暗闇の中にほのかに照らされた
示される向こうへとただ進む。

無風のこの場所で火が消えることはないだろう。
しかし短いこの一本もやがては消える。
だからそれほど遠くはない時間に
僕は一人、ここに立ちすくんだ。

火が消えた。
もう道を標すものはない。
朝が来るとしたら、世界に何かを見出すかもしれないが
もしかすると永遠にこの闇の中にいるかもしれない。
そんなわからない不安を抱えながら
僕はしばらくの間待ち続けようと思う。

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By GloomyWind 2003/4/5
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